オイルパーティクルカウンタの種類

目次

オイルパーティクルカウンタには、大きく分けると配管に組み込んで連続監視する「インライン方式」と、サンプルを採取し分析する「オフライン方式」の2種類があります。両者は仕組みが異なり、得意とする用途も別々です。

本記事では、それぞれの違いを整理して解説しています。まずは両方式の使い分けを理解し、現場に適した機器選定にお役立てください。

インライン方式

油圧システムや潤滑油配管へ直接接続し、稼働中の油を流しながら連続的に測定する方式です。

システム内を流れるオイルがセンサー部を通過する際、粒子が光を遮る度合いや減衰量を光学センサーが検知し、粒子の大きさや個数をカウントします。
測定データはリアルタイムで処理され、ISO 4406(オイルの汚れ具合を粒子数にもとづいて0〜28の等級で示す規格)などの清浄度コードとして即座に表示・記録される仕組みです。

「オンライン監視」とも呼ばれることもありますが、ここでは運転中の配管内で連続監視する「インライン方式」として解説します。

インライン方式ができること

設備を稼働させたまま、オイルの清浄度推移を切れ目なく計測可能です。運転開始からの粒子数増減や、フィルタ交換前後での数値変化を時系列で記録できます。

なだらかな劣化傾向にあるのか、あるいは特定タイミングで急激に粒子が増えたのかといった状態の変化点を、明確に捉えられる方式です。

インライン方式のメリット・注意点

運転中にリアルタイムで清浄度を確認できるため、異常の兆候を即座にその場で把握できるのが特徴です。
粒子数の増加傾向が続く場合に試験を中断するなど、現場での迅速な判断材料となります。試験ロスや設備の重大な破損リスクを低減できる可能性が高まるのがメリットです。

他方で、気泡や油温、流速などの外乱要因が測定値に影響を与える場合がある点には要注意。インライン方式は、厳密な絶対値の比較よりも、同じ設備・同じ条件で「増えているか」「減っているか」を見る用途に適した方式です。配管条件によっては、安定した測定のためにバイパスラインの設置や流量調整が必要になります。

オフライン方式

装置からオイルをボトルなどの容器に採取し、必要な前処理(気泡を落ち着かせる・撹拌など)を行ったうえで、静置したサンプルを測定器に通して分析する方式です。

採取したサンプルは、専用のサンプラーやポンプを用いて一定流量でセンサーへ送り込まれます。研究室や検査室といった安定した環境下で、粒子径ごとの個数分布やISO清浄度コード(ISO 4406)の値も詳細に取得可能です。

粒子の測定だけでなく、酸価や水分、元素分析といった化学的な測定項目と組み合わせて、多角的にオイルの状態を診断したい際にも用いられます。

オフライン方式ができること

温度や濃度などの条件を整えたうえで測定できるため、高精度な粒度分布計測や清浄度評価が可能です。

粒子数だけでなく、酸化度や水分量、添加剤の消耗度合いといった化学的な指標もあわせて分析できるため、単なる汚れの多さだけでなく、どのような劣化や摩耗が進行しているかまで推定できます。

オフライン方式のメリット・注意点

金属元素分析や顕微鏡観察などと組み合わせることで、摩耗の原因特定や異常の深掘りがしやすくなるのがメリットです。定期的にサンプルを採取し、同一の分析条件で長期的な劣化トレンドを追う用途にも適しています。
また、持ち運び可能なポータブル機を利用すれば、現場でのスポット測定(必要なタイミングだけ、その場で単発の測定を行うこと)にも柔軟に対応可能です。

ただし、サンプルの採取や輸送の過程で外部から異物や気泡が混入し、誤差が生じる可能性がある点には注意が必要。ボトル採取から分析までに手間やリードタイムを要するほか、時間の経過とともに粒子が沈降したり凝集したりして分布が変わる場合があるため、取り扱いには一定の配慮が求められます。

オイルパーティクルカウンタの
種類についてのまとめ

インライン方式は、試験ベンチや生産ラインなどで運転しながら状態変化の傾向を追いたい場面に適しています。対してオフライン方式は、定期診断やトラブル発生後の原因調査など、精密な評価や多角的なデータが必要な場面に向く傾向がある方式です。

どちらかが優れているというわけではなく、求められる役割が異なります。インライン方式で変化の兆しを捉え、オフライン方式で詳細を解析するといった運用も一般的です。

当メディアでは、こうした特性の違いを踏まえ、用途別に適した機種を紹介しています。設備の状態モニタリング、巡回点検、原因分析向けなど各製品の違いを見比べて、自社に合う製品を選ぶ参考としてください。

用途別
オイルパーティクルカウンタ
おすすめ3選
設備状態モニタリング
変化を連続的に
捉えたいなら
PI-1000(東陽テクニカ)
東陽テクニカ公式サイト
※画像引用元:東陽テクニカ公式サイト(https://www.toyo.co.jp/lp/las/)
状態変化をトレンドで
捉えられる計測方式

配管に据え付けてデータを自動取得する方式により、抜き取り式では捉えにくい摩耗粉の傾向的変化を計測。設備状態を点ではなく傾向で把握可能。

設備固有の摩耗特性に合った
粒度で最適化

装置ごとに異なる摩耗粒子のサイズに合わせて測定レンジを8つ設定可能。固定粒度では見逃してしまう変動も検知し、状態監視の精度が安定する。

遠隔でチェックしながら
自動でログ蓄積

PCから遠隔で状態変化の傾向を確認でき、夜間や遠隔設備でも見落としにくい。履歴はLAN経由で自動的に蓄積され、現場での記録作業を省ける。

計測方式 光遮蔽法
検出粒子径範囲 5~150µm
1回の計測液量 約20ml
計測可能周囲温度 RT(室温)~60℃
外形寸法 高さ290(+脚15)×幅285×奥行390(mm)
重量 約22kg
巡回点検
清浄度をその場で
判定したいなら
Icount LaserCM(Parker)
Parker公式サイト
※画像引用元:Parker公式サイト(https://ph.parker.com/jp/ja/product-list/icount-lasercm-portable-particle-counter)
現場のどこでも使えるポータブル式

電源不要のバッテリー駆動で、成形機の裏や建機ヤードなど、電源が取りにくい場所でもそのまま測定できる。

ISO/NAS表示で
2分後には結果が出る

測定後わずか2分でISO4406/NAS/AS4059の清浄度コードを表示するため、その場で結果が分かる。点検の流れを止めずに作業が完了する。

複数の油種を1台で計測可能

鉱油・燃料・Skydrolまで対応するため、油種が混在する現場でも使い回せる。台数を増やさずに済むためコスト効率が良い。

計測方式 光遮蔽法
検出粒子径範囲 -
1回の計測液量 -
計測可能周囲温度 -
外形寸法 高さ:277mm/長さ:240mm/幅:158mm
重量 8kg
原因分析
不良原因や摩耗の種類まで
突き止めたいなら
LaserNet 200(Spectro Scientific)
Spectro Scientific公式サイト
※画像引用元:Spectro Scientific公式サイト(https://www.spectrosci.com/product/lasernet-200-series)
4µm級まで検出し、
品質判断の見落としを防ぐ

4µm級の微小粒子まで安定して検出できるため、評価データの精度が上がり、品質保証の確度が高まる。

粒子の形まで見え
原因特定が早い

粒子を画像で取り込み、形状から摩擦・切削・疲労などの摩耗の種類を自動分類。発生メカニズムを特定し、再発防止の根拠づくりがしやすい。

監査対応の証跡をまとめて出力

清浄度コード(ISO/NAS)、粒子画像、形状分類の結果をレポートで出力。必要な証跡がそろった状態で提出できるため、監査や顧客説明の準備が短縮される。

計測方式 直接イメージング(CCDカメラ+レーザー照射)
検出粒子径範囲 4µm~100µm
1回の計測液量 数mL
計測可能周囲温度 -
外形寸法 -
重量 -
用途別オイルパーティクルカウンタ おすすめ3選
用途別
オイルパーティクルカウンタ
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