オイルに混ざる異物(コンタミネーション)は、ポンプやバルブの摩耗、ライン停止といったトラブルの元です。
本記事では、コンタミが発生する仕組み、設備に与える影響、測定方法などを解説します。
コンタミネーションは、機械や製品に混入して不調を招く異物や不純物を指します。
コンタミは、金属片の摩耗粉、塵・砂・水分といった異物だけでなく、熱や酸化でオイルが劣化して生じるスラッジからも生じます。
汚染経路としては、吸気や給油口など外部からの侵入、摩耗・腐食といった内部からの発生、作業時の混入の3つです。
油圧機械はオイルを循環させて動いているため、コンタミが混入するとポンプやバルブが削れ、詰まりが発生するといった不調を引き起こしかねません。
機械の寿命が縮まるほか、重大な故障にもつながるリスクがあります。
油圧機器は設備の「心臓」にあたるため、コンタミによる故障は単なる部品交換に留まらず、製造ラインの停止という甚大な損害をもたらします。
納期遅延や販売機会の損失にも直結する事態です。
オイル中のコンタミネーション測定には、主に重量法と粒子計数法の2種類があります。
重量法は異物の総量を測る簡易的な方法で、粒子の大きさや分布までは把握できません。
オイルの清浄度管理において標準的に用いられているのは粒子計数法で、この方法には「光遮へい法」と「光散乱法」の2方式があります。
このうち、油中を流れる粒子が光を遮る量から粒径と個数を算出する光遮へい法は、ISO4406などの清浄度評価規格にも対応しており、油圧設備や潤滑油管理の現場で広く採用されています。
一般にオイルパーティクルカウンタと呼ばれる測定機器の多くは、この光遮へい法を用いています。
粒子計数法による精密な清浄度管理を行うには、こうしたオイルパーティクルカウンタを使用した測定が必要です。
当メディアでは、現場での使用を前提としたオイルパーティクルカウンタについて、製品ごとの特徴や導入事例を交えて解説しています。
オイルパーティクルカウンタは、対応できる粒径範囲や測定方式、インライン型・ポータブル型といった仕様が製品ごとに異なるため、
設備の運用形態や管理目的に合ったモデルを選定することが重要です。
以下の記事では、設備状態のモニタリング・巡回点検・原因分析といった用途別に整理して紹介していますので、
自社設備に適した選定の参考としてご覧ください。
まずは、コンタミが外部から侵入しているのか、内部摩耗によって発生しているのかを切り分けることが重要です。
油圧システムでは、外部侵入の主な経路はオイルタンクの通気部(空気孔・給油口)ですが、同時にポンプやバルブの摩耗によって粒子が発生しているケースも少なくありません。
清浄度の変化や粒径分布の傾向を確認し、原因の方向性を把握します。
侵入か内部発生かを切り分けるには、タンク、戻りライン、フィルター前後など、どこで測定するかの設計も重要です。
フィルターは混入したコンタミを捕捉する役割を担いますが、使用を続けると目詰まりや捕集効率の低下が起こります。
交換時期を固定するのではなく、清浄度の推移や圧損の変化を確認しながら、実際の汚れ具合に応じて交換することが重要です。
点検や給油作業そのものが、コンタミ混入の原因となる場合があります。
タンクの蓋やハッチは確実に閉めることに加え、開放時に異物が入り込まないよう、周辺の清掃や作業手順を見直します。
「測定→作業→再測定」を繰り返し、作業起因の再汚染がないか確認することが有効です。
通気部以外からの侵入が疑われる場合は、シール(パッキン)の劣化や構造上の問題も確認します。
耐久性の高いシール材への変更や、外気の影響を受けにくいリザーバー構造への改良など、設備側の設計・構造を見直すことで、コンタミ発生リスクを根本から低減できます。
当メディアでは、オイルの清浄度に関する基本知識を解説しています。
以下の記事では、オイルの清浄度を維持する基本と対策について解説していますので併せてご覧ください。
清浄度コードが1段階悪化しただけでも、すぐに対策したほうがよいですか?
1回の測定結果だけで交換や停止を判断するのではなく、設備ごとの管理基準と過去の推移を合わせて確認することが大切です。
同じ条件で測定しても悪化傾向が続く場合や、特定粒径の粒子が急増している場合は、外部侵入や内部摩耗を切り分けて原因を確認しましょう。 実際の判断では清浄度コード、採油位置、油温に加え、運転状態と粒径別の変化の条件差も含めて考えることで、コンタミの発生源と対策の優先度を切り分けやすくなります。
フィルターを交換してもコンタミが減らない場合、どこを確認すべきですか?
フィルター交換後も清浄度が改善しない場合は、汚染物質の発生源が残っている可能性があります。
給油口や通気部からの侵入、シールの劣化、ポンプ・バルブ内部の摩耗に加え、フィルターのバイパス作動や採油位置も確認し、測定点を変えて汚染源を絞り込むことが重要です。
フィルターだけを疑うと、外部侵入や内部摩耗など別の発生源を見落とす可能性があります。採油位置をそろえたうえで、給油口・通気部・シール・ポンプやバルブの状態を順に確認し、測定点の差から汚染源を絞り込むと対策を選びやすくなります。
新油に全量交換すれば、コンタミネーションは解消できますか?
新油へ交換しても、タンクや配管内に異物が残っていたり、外部からの侵入経路が改善されていなかったりすると、短期間で再び汚染する可能性があります。
交換時はタンクや周辺の清掃、必要に応じたフラッシングを行い、交換後も清浄度を測定して再汚染がないか確認しましょう。 清浄度コード、採油位置、油温は相互に影響するため、運転状態と粒径別の変化まで含めて条件差を整理すると、コンタミの発生源と対策の優先度を切り分けやすくなります。
金属粒子が増えた場合、内部摩耗が原因と考えてよいですか?
金属粒子の増加は内部摩耗を疑う材料になりますが、粒子数だけで発生源を断定するのは避けたほうがよいでしょう。
粒径分布の変化や増加のタイミング、設備の振動・温度・異音なども合わせて確認します。 原因分析が必要な場合は、粒子形状まで確認できる測定方法も選択肢になります。 同じ仕様でも清浄度コードや採油位置が変わると結果が変わることがあるため、油温・運転状態・粒径別の変化まで含めて比べると、コンタミの発生源と対策の優先度を切り分けやすくなります。

配管に据え付けてデータを自動取得する方式により、抜き取り式では捉えにくい摩耗粉の傾向的変化を計測。設備状態を点ではなく傾向で把握可能。
装置ごとに異なる摩耗粒子のサイズに合わせて測定レンジを8つ設定可能。固定粒度では見逃してしまう変動も検知し、状態監視の精度が安定する。
PCから遠隔で状態変化の傾向を確認でき、夜間や遠隔設備でも見落としにくい。履歴はLAN経由で自動的に蓄積され、現場での記録作業を省ける。
| 計測方式 | 光遮蔽法 |
|---|---|
| 検出粒子径範囲 | 5~150µm |
| 1回の計測液量 | 約20ml |
| 計測可能周囲温度 | RT(室温)~60℃ |
| 外形寸法 | 高さ290(+脚15)×幅285×奥行390(mm) |
| 重量 | 約22kg |

電源不要のバッテリー駆動で、成形機の裏や建機ヤードなど、電源が取りにくい場所でもそのまま測定できる。
測定後わずか2分でISO4406/NAS/AS4059の清浄度コードを表示するため、その場で結果が分かる。点検の流れを止めずに作業が完了する。
鉱油・燃料・Skydrolまで対応するため、油種が混在する現場でも使い回せる。台数を増やさずに済むためコスト効率が良い。
| 計測方式 | 光遮蔽法 |
|---|---|
| 検出粒子径範囲 | - |
| 1回の計測液量 | - |
| 計測可能周囲温度 | - |
| 外形寸法 | 高さ:277mm/長さ:240mm/幅:158mm |
| 重量 | 8kg |

4µm級の微小粒子まで安定して検出できるため、評価データの精度が上がり、品質保証の確度が高まる。
粒子を画像で取り込み、形状から摩擦・切削・疲労などの摩耗の種類を自動分類。発生メカニズムを特定し、再発防止の根拠づくりがしやすい。
清浄度コード(ISO/NAS)、粒子画像、形状分類の結果をレポートで出力。必要な証跡がそろった状態で提出できるため、監査や顧客説明の準備が短縮される。
| 計測方式 | 直接イメージング(CCDカメラ+レーザー照射) |
|---|---|
| 検出粒子径範囲 | 4µm~100µm |
| 1回の計測液量 | 数mL |
| 計測可能周囲温度 | - |
| 外形寸法 | - |
| 重量 | - |