オイルパーティクルカウンタとは

目次

オイルパーティクルカウンタは、作動油や潤滑油に含まれる微小な固形微粒子の数と大きさを測定する装置です。
目に見えない汚れを数値化し、設備の故障予兆を捉えるために役立ちます。

本記事では、オイルパーティクルカウンタでの測定の仕組みや、他のオイル分析機器との違い、具体的な活用シーンを解説。
それぞれの機器の適切な使い分けを理解し、現場の保全精度を高める一助となれば幸いです。

オイルパーティクルカウンタの
仕組み

光学的な原理を利用し、油中の粒子を検知します。
一般的に採用される「光遮蔽方式」では、細い流路にオイルを流しながらレーザー光を照射。粒子が光を横切ると、フォトダイオードに届く光量が遮られて電気信号が変化します。

信号の大きさは粒子のサイズに、発生頻度は粒子の数に対応し、4µmや6µmといったサイズごとの個数を算出可能です。
数秒から数分程度の短時間で連続測定ができ、リアルタイムな状態監視に適しています。

オイルパーティクルカウンタで
何が分かるのか

オイルパーティクルカウンタは「物理的な汚れ(粒子)」を捉え、その他の分析機器は「化学的な性状変化」を捉えるという違いがあります。

一定体積中の粒子数や粒径分布を明らかにできる装置がオイルパーティクルカウンタです。
ISO 4406などの国際規格に基づく清浄度コードを表示し、設備の今の状態を客観的な数値で示します。一部の機種では粒子形状から摩耗の種類なども推測可能です。

一方、成分分析装置やオイルクオリティセンサなどのオイル測定器は、油の酸化劣化、水分混入、添加剤の減少といった性状変化を監視する装置です。
粒子汚染が進行して摩耗粉が発生し、油の性状が悪化するという因果関係があるため、コストを度外視するならば両面からの監視が理想的です。

オイルの清浄度

清浄度とは、一定量のオイル中にどのサイズの粒子がどれだけ含まれるかを示す指標です。
ISO 4406規格では、4µm超/6µm超/14µm超の粒子数を区分しており、それぞれの数値をコード化して汚染度合を表します。

油圧機器の摺動部におけるクリアランス(すきま)は、機器によっては数µmから数十µmと非常に微細です。
クリアランスに入り込めるサイズの粒子が多いほど摩耗リスクは高まります。

現場で素早く清浄度を測定し、管理基準内に収まっているかを確認することは、機器寿命を延ばすための基本動作です。

摩耗や異常の兆候

固形微粒子は機械内部を循環し、部品を削ることで新たな摩耗粉を生み出します。
オイルパーティクルカウンタで粒子の増加傾向を監視することは、異常摩耗を早期に発見するためのポイントです。

特に大粒径の粒子が急増した場合や、画像解析により切断摩耗や疲労摩耗特有の形状が検出された場合は危険信号。

振動や異音が発生する前の段階で内部の異変を察知できれば、致命的な故障に至る前に計画的な部品交換やフラッシングを実施できます。

オイルパーティクルカウンタの
活用シーン

停止時の損失が大きい設備や、頻繁なメンテナンスが困難な場所で重宝されます。
例えば、洋上風力発電やダムなどの遠隔設備では、ギアボックスの摩耗状態を常時監視。突発停止を防ぐために導入が進んでいます。

製造現場において利用されているのは、大型プレス機や射出成形機の油圧システム管理など。
ポータブル機で定期巡回したり、インライン方式(オンライン接続)で常時監視したりすることで、ライン停止のリスクを低減します。

オイルパーティクルカウンタの
レンタルを行っている会社

高額な機器導入に不安がある場合は、購入前のレンタルやデモ機利用が有効です。
実際の使用環境や対象オイルで測定精度を検証でき、運用課題を事前に洗い出せます。
東陽テクニカやインテクノス・ジャパンなど、貸出サービスを提供するメーカーやレンタル会社経由で借りられるメーカーを、下記の記事にまとめました。

導入前に市場全体の基準値を知る

レンタル実施メーカーの確認と並行して、市場にある製品の全体像を把握するのが選定におけるポイントです。
当メディアでは、レンタル対応メーカーを含めたオイルパーティクルカウンタメーカーを複数紹介しています。各社製品の仕様や特徴を比較し、自社に適した一台を見つけてください。

オイルパーティクルカウンタの
市場規模

予知保全への意識変革に伴い、世界的に市場は拡大傾向。
特に常時監視可能なインライン方式は、2026年以降も年平均約6%成長が見込まれているカテゴリです。
日本を含むアジア太平洋地域では、製造業やインフラ設備への新規投資とセットで導入されるケースが増え、高い成長率を示しています。

オイル測定機と
オイルパーティクルカウンタの
違いとは

オイル測定機は油の交換時期や劣化傾向を把握するのに適しており、オイルパーティクルカウンタは設備故障直前のサインに敏感です。
「まず故障リスクを下げたいのか」「油の延命を図りたいのか」によって、導入優先度や使い分け方が変わってきます

用途別
オイルパーティクルカウンタ
おすすめ3選
設備状態モニタリング
変化を連続的に
捉えたいなら
PI-1000(東陽テクニカ)
東陽テクニカ公式サイト
※画像引用元:東陽テクニカ公式サイト(https://www.toyo.co.jp/lp/las/)
状態変化をトレンドで
捉えられる計測方式

配管に据え付けてデータを自動取得する方式により、抜き取り式では捉えにくい摩耗粉の傾向的変化を計測。設備状態を点ではなく傾向で把握可能。

設備固有の摩耗特性に合った
粒度で最適化

装置ごとに異なる摩耗粒子のサイズに合わせて測定レンジを8つ設定可能。固定粒度では見逃してしまう変動も検知し、状態監視の精度が安定する。

遠隔でチェックしながら
自動でログ蓄積

PCから遠隔で状態変化の傾向を確認でき、夜間や遠隔設備でも見落としにくい。履歴はLAN経由で自動的に蓄積され、現場での記録作業を省ける。

計測方式 光遮蔽法
検出粒子径範囲 5~150µm
1回の計測液量 約20ml
計測可能周囲温度 RT(室温)~60℃
外形寸法 高さ290(+脚15)×幅285×奥行390(mm)
重量 約22kg
巡回点検
清浄度をその場で
判定したいなら
Icount LaserCM(Parker)
Parker公式サイト
※画像引用元:Parker公式サイト(https://ph.parker.com/jp/ja/product-list/icount-lasercm-portable-particle-counter)
現場のどこでも使えるポータブル式

電源不要のバッテリー駆動で、成形機の裏や建機ヤードなど、電源が取りにくい場所でもそのまま測定できる。

ISO/NAS表示で
2分後には結果が出る

測定後わずか2分でISO4406/NAS/AS4059の清浄度コードを表示するため、その場で結果が分かる。点検の流れを止めずに作業が完了する。

複数の油種を1台で計測可能

鉱油・燃料・Skydrolまで対応するため、油種が混在する現場でも使い回せる。台数を増やさずに済むためコスト効率が良い。

計測方式 光遮蔽法
検出粒子径範囲 -
1回の計測液量 -
計測可能周囲温度 -
外形寸法 高さ:277mm/長さ:240mm/幅:158mm
重量 8kg
原因分析
不良原因や摩耗の種類まで
突き止めたいなら
LaserNet 200(Spectro Scientific)
Spectro Scientific公式サイト
※画像引用元:Spectro Scientific公式サイト(https://www.spectrosci.com/product/lasernet-200-series)
4µm級まで検出し、
品質判断の見落としを防ぐ

4µm級の微小粒子まで安定して検出できるため、評価データの精度が上がり、品質保証の確度が高まる。

粒子の形まで見え
原因特定が早い

粒子を画像で取り込み、形状から摩擦・切削・疲労などの摩耗の種類を自動分類。発生メカニズムを特定し、再発防止の根拠づくりがしやすい。

監査対応の証跡をまとめて出力

清浄度コード(ISO/NAS)、粒子画像、形状分類の結果をレポートで出力。必要な証跡がそろった状態で提出できるため、監査や顧客説明の準備が短縮される。

計測方式 直接イメージング(CCDカメラ+レーザー照射)
検出粒子径範囲 4µm~100µm
1回の計測液量 数mL
計測可能周囲温度 -
外形寸法 -
重量 -
用途別オイルパーティクルカウンタ おすすめ3選
用途別
オイルパーティクルカウンタ
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