金属摩耗粉の発生原因と対策|油中粒子の解析

目次

金属同士の接触で生じる「金属摩耗粉」は、放置すると設備の突発的な故障を引き起こす要因となります。本記事では、摩耗のメカニズムやコンタミとの違い、油中粒子解析による監視手法、予防対策を解説します。

金属摩耗とは?摩耗粉発生のメカニズム

金属摩耗とは、金属が他の固体と接触し、摩擦力によって表面が削られたり損傷したりする現象です。金属の摩耗は、主に以下の4つの種類に分けられます。

これらが発生することで金属摩耗粉が生じます。自社設備の環境(高温、水分の有無、外部の粉塵など)と照らし合わせることで、どの摩耗が起きやすいかを推測する手立てとなります。

摩耗粉とコンタミの違い・形状からわかる異常兆候

潤滑油中に含まれる異物には、「コンタミ」と「摩耗粉」があります。コンタミとは、砂やシリカなど外部から侵入した異物を指します。このコンタミが金属表面を傷つけることがきっかけとなり、設備内部から摩耗粉が発生します。

発生した摩耗粉は油中を循環し、研磨材のように作用するため、さらなる摩耗を加速させる悪循環を引き起こします。そのため、摩耗粉の粒径や変化量を監視することが、通常摩耗か異常摩耗かを判断する材料のひとつとなります。

また、摩耗粉の形状を確認することで、設備の異常兆候を診断できる場合があります。

粗い粉や微細な粉の増加度合い、およびその形状を観察することで、設備内部のどの部分に異常が起きているかを推測しやすくなります。

油中粒子の解析と状態監視の手法

潤滑油中の粒子数が多いからといって、直ちに設備の故障につながるとは限りません。一般的なパーティクルカウンタを使用する場合、外部からのコンタミと内部で発生した摩耗粉を完全に区別できないことがあるためです。

そのため、単に粒子数を確認するだけでなく、摩耗粉の粒径、形状、材質、そして発生量の「時間的な変化」を継続して監視することが求められます。

具体的な診断方法として、定期的なオフラインでの油中分析に加えて、オンラインセンサを導入した連続監視が挙げられます。また、マグネットキャッチャを使用して鉄粉の付着状況を確認する方法や、光学顕微鏡を用いて摩耗粉の形状を観察する方法も有効な選択肢のひとつです。

さらに、これらの油中粒子の解析と振動解析を組み合わせることで、設備の初期故障をより早期に診断できる可能性があります。自社の保全体制や予算に合わせて、適切な監視手法を選択することが重要です。

金属摩耗粉を減らすための対策

金属摩耗粉の発生を防ぐには、現場での保全対策と設備自体の材料選びの両面からのアプローチがあります。

現場レベルの対策として基本となるのが、正しい潤滑管理です。油量、油種、給脂間隔を適切に管理し、油膜切れを防ぐことが摩耗の低減に寄与します。また、シールやフィルタを交換・追加してコンタミの侵入を防ぐことや、芯ずれ・偏荷重による摩耗粉の急増を防ぐためのアライメント調整も有効な手段です。

材料側の対策としては、接触する部品に異種金属を使用することや、材料の硬度を上げる処理、コーティングなどの表面処理を行うことが挙げられます。日常のメンテナンス改善で対応するか、部品の交換・改良に踏み切るか、現場の状況に応じた対策を検討することが求められます。

適切な汚染管理で
設備の安定稼働を維持しよう

金属摩耗粉の監視は、設備の予知保全において重要な役割を持ちます。油の清浄度を保ち、摩耗粉を時間軸で監視することが、設備異常の早期発見につながります。突発的なダウンタイムを防ぐためにも、定期的な潤滑油分析と適切なメンテナンス計画の立案に取り組むことが推奨されます。

当メディアでは、用途や試験環境別にオイルパーティクルカウンタをご紹介。まずは下記の記事から、自社の評価試験に適した一台を見つけてください。

用途別オイルパーティクルカウンタ おすすめ3選
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設備状態モニタリング
変化を連続的に
捉えたいなら
PI-1000(東陽テクニカ)
東陽テクニカ公式サイト
※画像引用元:東陽テクニカ公式サイト(https://www.toyo.co.jp/lp/las/)
状態変化をトレンドで
捉えられる計測方式

配管に据え付けてデータを自動取得する方式により、抜き取り式では捉えにくい摩耗粉の傾向的変化を計測。設備状態を点ではなく傾向で把握可能。

設備固有の摩耗特性に合った
粒度で最適化

装置ごとに異なる摩耗粒子のサイズに合わせて測定レンジを8つ設定可能。固定粒度では見逃してしまう変動も検知し、状態監視の精度が安定する。

遠隔でチェックしながら
自動でログ蓄積

PCから遠隔で状態変化の傾向を確認でき、夜間や遠隔設備でも見落としにくい。履歴はLAN経由で自動的に蓄積され、現場での記録作業を省ける。

計測方式 光遮蔽法
検出粒子径範囲 5~150µm
1回の計測液量 約20ml
計測可能周囲温度 RT(室温)~60℃
外形寸法 高さ290(+脚15)×幅285×奥行390(mm)
重量 約22kg
巡回点検
清浄度をその場で
判定したいなら
Icount LaserCM(Parker)
Parker公式サイト
※画像引用元:Parker公式サイト(https://ph.parker.com/jp/ja/product-list/icount-lasercm-portable-particle-counter)
現場のどこでも使えるポータブル式

電源不要のバッテリー駆動で、成形機の裏や建機ヤードなど、電源が取りにくい場所でもそのまま測定できる。

ISO/NAS表示で
2分後には結果が出る

測定後わずか2分でISO4406/NAS/AS4059の清浄度コードを表示するため、その場で結果が分かる。点検の流れを止めずに作業が完了する。

複数の油種を1台で計測可能

鉱油・燃料・Skydrolまで対応するため、油種が混在する現場でも使い回せる。台数を増やさずに済むためコスト効率が良い。

計測方式 光遮蔽法
検出粒子径範囲 -
1回の計測液量 -
計測可能周囲温度 -
外形寸法 高さ:277mm/長さ:240mm/幅:158mm
重量 8kg
原因分析
不良原因や摩耗の種類まで
突き止めたいなら
LaserNet 200(Spectro Scientific)
Spectro Scientific公式サイト
※画像引用元:Spectro Scientific公式サイト(https://www.spectrosci.com/product/lasernet-200-series)
4µm級まで検出し、
品質判断の見落としを防ぐ

4µm級の微小粒子まで安定して検出できるため、評価データの精度が上がり、品質保証の確度が高まる。

粒子の形まで見え
原因特定が早い

粒子を画像で取り込み、形状から摩擦・切削・疲労などの摩耗の種類を自動分類。発生メカニズムを特定し、再発防止の根拠づくりがしやすい。

監査対応の証跡をまとめて出力

清浄度コード(ISO/NAS)、粒子画像、形状分類の結果をレポートで出力。必要な証跡がそろった状態で提出できるため、監査や顧客説明の準備が短縮される。

計測方式 直接イメージング(CCDカメラ+レーザー照射)
検出粒子径範囲 4µm~100µm
1回の計測液量 数mL
計測可能周囲温度 -
外形寸法 -
重量 -